2021/06/14[mon] update

気になる職場【グループホーム ゆうあい】

〝お母さんの心〟で取り組む、社会参加へのお手伝い。

グループホーム ゆうあいは、函館市内で初めて開設された精神障がい者を対象とした施設。2年前に新築移転した施設がどんな職場なのか訪問してみました。

利用者の好みを聞き、味自慢の料理を提供。

障がい者・高齢者地域支援ゆうあい
グループホーム ゆうあい
理事長 佐々木 豊さん
グループホーム「ゆうあい」は障がい者・高齢者を対象とする、少人数で共同生活を送るための施設です。
「私どもは平成20年7月に設立した福祉関系のNPO法人です。主に精神障がい者を対象としたグループホームを運営しています」と話すのは、同NPO法人の理事長の佐々木豊さん。施設を見学させてほしいとお願いすると、快く応じてくれました。
1階の事務所を出て廊下を進むと、談笑する声が聞こえてきました。声の出所は廊下の一番奥にある食堂。理事長に続いて中に入ると、入居の方々が対面式のキッチン越しにスタッフと話をしています。「ここの料理はホテル水準の味なんですよ。3人の女性スタッフが入居の方のために、毎日三食の食事を作ってくれます」。
焼肉・カツ丼・お刺身・ナポリタンから中華まで、スタッフのレパートリーは実に多様。どのような料理を好み、何を食べたいか、日ごろ何気なく交わす言葉から見つけ出し、メニューに取り入れているそうです。

勤務シフトを工夫して、業務の効率化をアップ。

福祉施設の仕事というと業務数が多く、常に時間に追われているイメージがありますが、同施設はどうなのでしょうか。「勤務は食事の時間が基準になっていて、朝6時から夕方18時までを早番と遅番に分け、勤務時間が数時間重なるようにシフトを組んでいます」。
ここでは2組のスタッフが同時に作業する時間帯を設けるのが基本。施設の清掃や入居者とのコミュニケーションなどやるべきことが多いので、食事の準備をしている間も、常に自由に動くことのできる人を配置することで、作業の効率化を図っているそうです。「作業に追われて利用者の呼び掛けに応えられないなどということが起こらぬように注意しています」。現場のスタッフからも、申し送りをする時間が十分にあるので利用者の情報をしっかりと共有できて、同僚がもう一人いることで心にゆとりを持って作業に打ち込めると評判も上々。「施設側としては人件費が多く掛かりますが、必要な支出だと思っています」と理事長。

必要なのは資格ではなく、「お母さん」であること。

2019年に新築した現在の施設は定員10名で部屋は満室状態。市役所に提出する書類や、スタッフの勤務表作りなどの事務仕事は、今年84歳になる理事長がパソコンを駆使して行います。一方、食事の準備をはじめ、他の作業についてはすべてスタッフに一任しているそうです。そんな理事長が唯一スタッフに望むのが「入居者にとってのお母さんであってほしい」ということ。「精神障がい者の世界は十人十色。過去の事例にならって一つの型に当てはめるのは不可能です。資格があると教科書どおりに行おうとするので、資格ではなく、子どもにおいしいごはんを食べさせたいと思うお母さんのような心で接してもらいたいのです」。
自分たちのために職場があるのではなく、入居する彼らのために自分たちがいて何をしてあげられるかを常に考える。そんな振る舞いが自然にできる後進を育てるため、この先20年はまだまだ現場で頑張ると宣言する佐々木理事長。きっと、20年後の「ゆうあい」も常に笑い声があふれていることでしょう。
月曜日から土曜日まで、理事長自ら一緒に寝泊りしている
個室は全室9.7平方メートルのゆったりとした広さを確保
利用者一人ひとりにお風呂を使用したい時間を聞いて入浴時間を調整する
入浴の日には1階と2階にある浴室を掃除して準備をする

坂井ゆり子さん(サービス管理責任者/勤続2年目)に3つの質問!

Q.どうしてこの職場に?
A.福祉の仕事に携わっていたある日、理事長から力を貸してほしいとスカウトされたんです。
Q.職場の良いところは?
A.スタッフ同士の人間関係がとてもよく、利用者様も良い方ばかりで楽しい職場です。
Q.今後の目標は?
A.利用者様の意欲を引き出して、社会に出て行くお手伝いをしたいですね。

NPO法人 障がい者・高齢者地域支援ゆうあい

精神障がい者を対象とした定員10名のグループホーム。入居者の自主性を尊重するスタイルが好評で見学者も多く、入居を希望する人が後を絶たない。理事長以下スタッフは全6名。
北海道函館市戸倉町21-11
TEL.0138‐76‐3456
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