サービスの向上を常に考え、くつろぎの空間を提供【コメダ珈琲店 函館ベイエリア店】

個人的な趣味の延長でコーヒーソムリエの資格を取得するほどコーヒー好きな竹中さん。情報収集として見ていた「シゴトガイド」でコメダ珈琲店のオープンを知り、訪れる楽しみができたと喜ぶ一方、転職先として考えるようになっていきます。

函館市内のホテルで働いていた竹中さんは、情報収集の一貫として「シゴトガイド」に時々目を通していました。「転職が目的で見ていたのではありません。オープニングスタッフ募集の記事を見て『こんなお店ができるんだ。行ってみよう』と、情報誌を見る感覚で利用していたんです」。

そんなある日、全国展開するコメダ珈琲店が函館に進出することを知ります。道外出身の竹中さんにとってコメダ珈琲店は、高校生時代にお兄さんと一緒に行った思い出の店。落ち着いた雰囲気の中でくつろいだ記憶を懐かしみながら募集内容を見たせいもあり、「求人」の2文字が気になったと言います。「当時、とてもやりがいのある職場で働いていましたが、時間が不規則で、体調を崩しがちだったんです。お気に入りの店であることと、規則的な生活パターンが築けそうな勤務体制に引かれて転職を決意しました」。

入社が決まり、早速研修生活がスタート。当時は近郊に系列店がなかったので、東京で1週間基礎的な業務を教わり、その後は仙台市内の実店舗でおよそ2カ月間実務経験を積みました。「コメダ珈琲店では、社員だけでなくアルバイトスタッフもすべての業務が行える体制づくりを目指しています。料理の仕込み作業からフード類の調理、ホールでの接客業務までひと通り経験しました」。マニュアルがしっかりと準備されていたお陰で、比較的スムーズに仕事を覚えていけたそうです。

その後、現在勤務する函館ベイエリア店のオープンに合わせて函館に移動。自分も含めスタッフ一同初めてづくしの現場は試行錯誤の毎日。特に、全国でも珍しい2階建ての店舗でのサービスは想像していた以上に大変だったそうです。「来店されたお客様に『2階席は空いてますか』と聞かれてもすぐに返答できなかったり、2階で作業している時には1階のお客様を待たせていないかなど、常に目視できないフロアのことが気になっていました」。オープン当初はこうした想定外の細かい問題が起きては、その対応に追われていたと言います。

勤続3年目に入り、今年から店長として登用された竹中さんは、これまで以上にお客様がゆったりとくつろげる空間づくりに力を入れているそうです。そのための具体的な取り組みとして行っているのが中間サービスの徹底。「例えば、食べ終わった食器がいつまでも置いてあると、なかなかくつろげないものです。食器をテーブルの横に寄せるなど、お客様のちょっとしたサインを読み取り、『お下げしてもよろしいですか』と声を掛けて片付けます」。その他にも、お客様のグラスが空の場合には「お水のおかわりはいかがですか」と聞いてつぎ足し、注文の品を提供する際には「ごゆっくりどうぞ」と一言添えて、滞在しやすい雰囲気にすることを心掛けているそうです。

そんな竹中さんの今後の目標は、自分が不在の時でも常に同様のサービスが提供できるように、スタッフ全員のスキルアップを図ること。「私も含め、お客様に対してできることがまだまだあるんじゃないかと思うんです。現状に満足せず、少しずつでいいのでサービスのレベルを上げていければ、お店として良い方向に進んでいくでしょう」。かつての自分が体験した居心地のよい空間を提供するため、竹中さんは努力を惜しみません。